隣の芝生は青い。
言わずと知れた、他人の物の方が良く見えるっていうことわざです。
にんげんだもの…(笑)
青く見えちゃいますよね。
人のものや状況が良く見えるということは
今の自分にはそれが足りないと感じてるってことで、【羨ましい】という気持ちと絡んでいます。
【羨ましい】
この感情は、 『あ、あの人いいな、私もあんな風になりたいな~(*´▽`*) 』
という類のものだと、
心は苦しいとは感じないでしょうが、
『なんであの人にはあるのに私にはないんだろう…』
『ずるい、私にはないのにあの人ばっかり‼』
という感じのものになってくると、【羨ましい】も【妬ましい】になっていき、やがては【憎らしい】と、
相手が自分に何かしたわけでもないのにイライラしたり、怒りを感じる場合もあります。
そんなどこにも向けられない怒りはストレスです。
こうなると…心は苦しいですよね。
このようなケースの怒りの感情は相手に向かっているように感じますが、
望む状況を手に入れられない自分にも向けられています。
【今の私はそれを手に入れられないと感じる】
こう感じる原因を見つめるのが怖くて、相手にだけ怒りを向けてその場をしのいだり、
『自分はあの人以上に頑張っているのに、世の中おかしい!』と言ったりもします。
さて、
こんな感情の動きをありがちな状況で表現してみますね。
Aさんは友達のBさんをいつも羨ましいと感じていました。
Aさんは恋人が忙しくて会う時間を作ってもらえないのに
Bさんはいつも休みのたびに恋人とのデートの状況をSNSなどに投稿しています。
それを見るたびBさんの状況が有意義でとても楽しそうに見えるのです。
始めは『いいな~!』と思うだけでしたが、Bさんが味わっている状況に
あまりにも自分と差があるように思えて、次第にBさんを妬ましく思うようになりました。
友達なのに話しているとイライラして怒りが湧いてきたり、憎らしい感情さえも出てきて
なんとなくBさんと過ごすことが辛くなってきました。
この場合、Aさんの妬みから生まれた怒りや憎しみの矛先は、自分にない状況を過ごしているBさんや、
Bさんのような状況を作ってくれないAさんの恋人になります。
恋人に不満をぶつけたい衝動を抑えたり、Bさんとの時間にも本当の感情を抑えて過ごしています。
友達相手にこんな気持ちになる自分にもなんだか否定的な気持ちが湧いてきて苦しくもなります。
このような状態のAさんの心の奥には
『Bさんは沢山愛されてる。私だって望んでるのに。』
『なぜ??それは私がBさんより魅力がないってこと?』
『…こんなに嫉妬したり理不尽に怒ったりしてたら愛されないのも仕方ないかもしれないね…。』
と、このような不安や悲しい気持ちも存在します。
この不安や悲しい気持ちはとても苦しいし、自分では見つめたくないものです。
それに、悲しんでも状況は変わるわけではないということもわかっています。
なので、感情に蓋をして羨ましいと感じたBさんへの気持ちを
なんとか誤魔化したり忘れようとするでしょう。
このAさんのような状況のように、ここで自分の感情に蓋をしてしまうと、
自分の心には嫉妬や怒り不安や悲しみなどのネガティブな感情しかないように思えます。
そう思うとより一層、こんな私だから幸せになれないんだ、という考えが浮かぶかもしれません。
でも
ここでもっと心の奥を見つめてみると…
強い嫉妬や怒りを感じるのは
もっと恋人と幸せな時間を過ごしたいという願いがあります。
それが今の自分にとって幸せをもたらすものだと思っているからです。
この自分をもっと幸せにしたい気持ちは
自分への愛情と言えますよね。
現代社会においては、このような流れでの自分への愛情を、エゴ(利己的)と
表現される場合もあります。
そんな中、
【大切な誰かの幸せを願う気持ち】
この気持ちは美しい愛情だと表現されることは多いですよね。
時には、この大切な誰かの対象が自分であってもいいのではないでしょうか。
自分という存在を大切に思えるのは素晴らしいことです。
自分をもっと幸せにしたい。
そういう愛情が妬みや怒りの奥にはあるのです。
だからこそ
自分は愛されないのではないか、というネガティブな思いを感じても
その奥にある自分を大切にしたい、もっと愛したいという
自分の気持ちを認めてあげてください。
自分の心の奥にある自分への愛情に気付いたら…
誰と比較する必要もない
自分だけの"青い芝生"を見つけることができるかもしれません
2017/3/2 kyoko