頭と心のバランス

 

やりたくない(感情)

 

やらねばならない(考え)

 

感情と考えがこのように相反することは

 多くの方が感じられたことがあるかと思いますが、

これは心と頭(考え)の意見が違っている状態です。

 

 私たちは無意識にでも、心と頭の両方の意見を

 取り入れながら生きています。

 

 

心と頭のバランスが取れていると、人生はスムーズに流れます。

 

 

バランスの良い場合は、時に困難が起きても乗り越える強さも湧き、

助けてくれる仲間にも恵まれ、チャンスや知恵を得ることもできます。

自然に自己肯定感も感じています。

 

 

 

では、バランスが悪い場合ではどうでしょう。

 

 

心の奥が『辛い、もう嫌だ!』と激しく抵抗しているのに、その感情を無視し、

 『どんなに辛くても〇〇すべきだ!』という考えの下で行動します。

 

または、『これは私にとって良くない事だ』と頭で分かっていながら

 衝動的に感情任せで、本来望んでいないような行動をしてしまいます。

 

 

ですから、バランスが崩れた状態で生活を続ければ、

無理や我慢からの体調不良を引き起こします。

 

周囲の人にも依存し過ぎたり攻撃的になったりするので

それによる 葛藤や自己不信感、罪悪感などを味わう事になるのです。

 

そうなれば、誰しも幸せを感じられないですよね。

 

 

 

上記したバランスの良し悪しは

ちょっと極端に差を表現しましたので、

『バランスが崩れたら大変!』と、不安になってしまうかもしれません。

 

ですが心と頭のバランスは、

そもそも簡単に安定を維持し続けられるものではなく、

状況によって不安定になったり、

個々の性格によって、どちらか一方に傾いた状態で留まることもあります。

 

 

 

バランスの悪さが極端であればあるほど、ネガティブな感覚になるので、

良い状態を保たなければならないと思われるかもしれませんが、

普段は安定しているタイプの人であっても、

初めての事に向かう時の怖れや、突然の悲しい出来事など、

少なからずバランスが崩れてしまうような体験は人生において何度も起こります。

 

それらの体験から自己と向き合い、理解を深め、成長する機会ともなり得ますので、

人間だからこそバランスは一定ではいられないのが

ある意味自然な事とも言えるのです。

 

 

 

 

 

 

 ただ、大きくバランスを崩してしまうと、

その状態から自力で乗り越えようとすることは、なかなか難しくなってしまいます。

 ですので、心と頭のどちらかの意見を無視し続けていることに早い段階で気付き、

自覚することは大切でしょう。

 

 

心は当然ながら個々のものですので、

感受性の強さによってもそれぞれ違いがありますね。

 

思考(頭)する事についても個々での違いはありますが、社会通念や時代背景によって

多くの人の中に共通する観念は生まれます。

 

 

 

高度経済成長期からの日本では、特に知性の方が心よりも優位のように扱われる傾向が

強かったのではないかと思います。

 

"お受験"が分かりやすい例です。子供の知性を伸ばすためにはお金も時間もかけますが、

子どもの心に向き合うような機会が同じような扱いだったかと言えば疑問です。

 

 

そんな"お受験"での上記のバランスを子供の場合で表してみます。

 

子どもにとって心からやりたい事が難関校の受験の場合は、過酷な環境においても

家族のサポートがあれば、バランスが乱れても乗り越える事ができるでしょう。

 

ただ、やりたくないのに、親の意志によって無理に受験しなければならない、

というような状態でそれを全うしようとした場合、

言うまでもありませんが我慢の連続です。

子どもは本心を抑し殺し、望まない状況を過ごす事になります。

 

 

 

 

 

ちょっと話が脱線しますが…

 

私の勝手な言葉の解釈ですが、我慢と辛抱には一見同じような行動であっても、

根本に違いがあると思っています。

 

【我慢】は我をなまける(漫の意味)ということ、

つまり、自分の心と向き合うことをなまけているので、心に負荷のかかった忍耐。

【辛抱】は、辛い気持ちを抱きしめる、ということで、

望むものに向かう心を抱きしめながら、頑張る様子。

…なのではないか、と。

  

こう考えると過度な我慢をせず、親に隠れて漫画を読んでいた私は、

ただの怠け者ではなくて自分を守っていたんだ!と肯定できます( *´艸`)

 

 心と頭のバランスのお話しにもどします(笑)

 

 

 

上記したように、

 

 

知性優位な傾向が現代の日本においても根深く残っているからこそ、

自然と心を抑圧してしまうでしょう。

 

だからこそ、良好なバランスの状態なんて

『そもそもわからない』『できそうに思えない』

という方が多いのも当然だと思います。

 

 

まずは、ストレスや不安を何かで埋めようとするだけでなく、

時々ご自身に問いかけてみてください。

 

 

◇最近無理や我慢をし過ぎていませんか?

◇我慢し過ぎていると気付いたならそれはどんな事で何の為ですか?

◇人生において大切にしたい事の優先順位を考えたことはありますか?

◇その優先順位の通りの行動になっていますか?

◇そもそも頭(考え)と心(感情)のそれぞれの優先順位は一致していますか?

 

 

こんな事を意識し始めるだけでも

頭と心が対話するきっかけになります。

 

その対話によって二つが信頼関係を築けば、

未来への安心感や勇気も自然と芽生えてくるのです。

 

 

 

 

 

 

 

  2019 / 7 /  11     kyoko